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【オープンワールド評価】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(BotW)

オープンワールドゲームとしての観点から「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」を分析・評価してまとめています。

【参考】:オープンワールドゲームとは

「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」ゲーム概要

「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」は、2017年に任天堂から発売されたアクションアドベンチャーゲームで、「ゼルダの伝説」シリーズ作品の一つです。

過去のシリーズにおいてもオープンワールド方式が採用されている作品はありましたが、本作ではこれまでお馴染みだった要素の多くが刷新され、より洗練されたオープンワールドゲームとなっています。

ゲーム全体を通して自由度の高いゲームフローや、緻密に設計された自然環境や化学反応、そしてプレイヤーのアイデアやひらめきを多彩な方法で実現できるパズルのような世界観が特徴的な作品です。

オープンワールドゲームとしての特徴と評価

主な特徴

項目別評価(1〜5段階)

マップの広さ4
探索要素ボリューム5
シナリオボリューム3
リアリティ3
プレイの快適さ4
自由度5

カテゴリーと属性

ジャンルアクションアドベンチャー、アクションパズル、RPG
世界観ファンタジー、大自然、荒廃した世界、古代文明

ゲームフロー

本作のゲームフローは大まかなストーリーラインに沿って進みますが、進行の順番やルートはプレイヤーが選べる設計になっています。

ゲームを始めて最初に訪れるエリアでは、基本となるアクションを覚えながら小規模のオープンワールドマップを攻略します。その後は自由に行動できる範囲が世界全体に拡がり、大目標となるラストダンジョンの攻略に向けて好きな順序で進行することが可能です。

ワールドマップは大きく4つのエリアに分けられており、各エリアごとにその地域特有のクエストが用意されています。基本的には好きな順番でこの4つのエリアを巡ってから最後の戦いへ挑むことになりますが、進め方によっては各エリアの一部ないしは全てをスルーして決戦に直行することもできます。

冒険道中のルートは多岐にわたり、ただ地上を道なりに進むだけでなく、崖を登ったり、水路を渡ったり、はたまた高所から滑空して進むなど、さまざまな進み方を選択できます。もし困難な道に直面したとき、迂回するか、突き進むかは各々のプレイヤーの判断次第です。また、道中にはさまざまな発見があるので、好奇心の赴くまま寄り道に興ずるのも良いでしょう。

物理と化学をかけ合わせたアクション

「ゼルダの伝説」シリーズ恒例のアイテムを使ったアクションですが、本作では物理的な法則や化学反応を魔法のように利用できるシステムとして設計されています。アイテムはそれぞれユニークな効果が備わっており、状況に応じた使い分けや組み合わせによってパズルを解いたり冒険を有利に進めることができます。

パラセール

パラグライダーのような滑空ができる「パラセール」は、ジャンプでは届かないような崖を渡ったり、徒歩では進みにくい陸路のショートカットなどに利用できます。

ビタロック

「ビタロック」は物体の時間を止めて一時的にその場所で固定させます。また、停止させた物体に衝撃を加えることで、停止が解除された際にそれまで蓄積された衝撃が一気に解放され、物体を大きく吹き飛ばすことが可能です。

アイスメーカー

水面から氷のブロックを作りだす「アイスメーカー」は、移動しにくい水辺での足場として利用できるほか、氷を作り出す際の水面からせり上がる力によって物体を持ち上げることもできます。

マグネキャッチ

金属の物体を操作する「マグネキャッチ」は、自力では持ち上げられない金属のブロックなどを念動力のように動かすことができます。

リモコンバクダン

「リモコンバクダン」は、脆い壁を破壊したり、敵への攻撃に利用できます。設置した爆弾はリモコン操作によって遠隔から任意のタイミングで起爆できます。

環境設計とリアリティ

本作は写実的なオープンワールドではなく、サンドボックスにやや近い性質を持っています。

全体的にアクションゲームとしてのケレン味が強く、現実的な世界観とはかけ離れているものの、物理演算に基づくオブジェクトの挙動や、化学的な反応、自然環境などの法則性は一貫しており、プレイヤーの考えたロジックをそのままこの世界に投影できることが没入感につながっています。

サバイバル要素と自然環境

本作のゲームシステムにおける現実のようなサバイバル要素は下記などが挙げられます。

特に自然環境や天候の影響は、非常に多彩かつ緻密に作られており、本作のサブタイトル「ブレスオブザワイルド(野性の息吹き)」の言葉の通り、荒々しい自然の過酷さや神秘性を体感できる設計になっています。

また、自然環境や天候による影響の例としては主に下記などです。

これらの影響は、プレイヤーにとって不利にも有利にも作用するため、周囲の自然をよく観察して対応することが攻略の鍵となるでしょう。

ゲームボリューム

マップの広さ・探索ボリューム

本作のマップの広さは、約75平方kmほどであると推察されており、現実の世界で近い例としては「愛知県・犬山市(Googleマップ)」の面積に相当します。

マップの各地には、謎解きや戦闘のチャレンジを行うダンジョン「試練の祠」や、険しい環境下にそびえる塔を登る「シーカータワー」など、それぞれ趣向の凝ったパズルやアスレチックに挑める施設が用意されており、これらはマップ探索をする上での小目標という役割も持っています。

特に試練の祠は100箇所以上にものぼるユニークなチャレンジが用意されており、祠の攻略だけでもサブ要素としては十分なボリュームがあります。その他にもNPCから受注できるサブクエストや収集要素は充実しており、広大な世界の中でも空虚さを感じさせない密度で構成されています。

シナリオのボリューム

シリーズ過去作では、メインのゲームフローにあわせてストーリーが展開されていましたが、本作ではゲームフローとストーリーラインの結びつきが緩く、ストーリーの進行がゲームプレイに大きな縛りを与えないように設計されています。エンディングを迎えるまでにどのような冒険の道を辿ったかはプレイヤーの行動に大きく委ねられており、プレイヤーのゲーム体験や選択そのものがストーリーの主軸とも言えるでしょう。

また、メインのストーリー上で描かれる内容自体はコンパクトにまとめられていますが、物語の要点となる過去の出来事のヒントが世界各地に散りばめられており、マップの探索やクエストの攻略を通して、この世界やキャラクターたちの背景をより深く知ることができます。

ゲーム難易度とプレイの快適さ

難易度について

ゲーム序盤は装備やステータスが貧弱なため、敵が強く感じたり、過酷な環境に適応しにくいことで不便を感じることが多いかもしれません。特にスタミナに相当する「がんばりゲージ」や、装備品の耐久値は序盤ではややシビアな設定です。

ただ、序盤に感じていた不便さは、ゲーム進行によるステータスの成長や新しいアクションの獲得により、少しずつ解消されて快適になっていきます。また、ルートの選択や発想の工夫次第では、通常よりも楽で安全な方法で進めることも可能です。

プレイの快適さ


「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」製品情報

タイトルゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
プラットフォームSwitch、WiiU
発売日2017年3月3日
開発元任天堂
発売元任天堂
公式サイトhttps://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000000026.html

備考